新外来診療棟コンセプト
【新外来診療棟の基本方針】
本院は開院以来、山梨県唯一の特定機能病院としてその機能を果たしてきました。しかし、40年が経過し、従来からの診療機能に加え、限られたスペース内へ新しい診療機能を増設してきた結果、全ての機能において狭隘化が進んでいます。また、新型コロナウィルス感染症の流行や地震災害による大規模災害時に対し、患者待合スペースや感染診察室の確保が困難であり十分な対策をとることができない状況にあります。これらの現状を改善し、さらには、がん診療や外来手術の充実等これからの医療ニーズに合った外来診療の機能強化を図るべく、外来診療棟を改築するものであります。
【新外来診療棟の基本方針】
(1)外来診療科ブースの共通利用による有効活用
■診療科の枠組みを超えた取り組み(チーム医療)を展開する施設整備の実現
- 今後の外来部門再整備では、関係が深い診療科の隣接配置を行い、診察・検査スペースの共用、待合スペースの確保など、限りあるスペースの有効活用を行います。
(2)外来待合スペースの共有による快適な空間の実現
- 各診療科待合スペースは1階に広く設け、2 階以上の患者とも共有とします。待合スペースの一角には、入退院支援センターや医療福祉支援センターなどの患者相談のための患者支援センターを広く取ります。空港ラウンジのような快適な空間を提供し、併せて、患者呼出システムを導入することにより、スペースの有効活用とともに混雑緩和を目指します。
(3)機能強化のためのセンターの整備
■機能強化を図るため、専門に特化したセンターを設置
- 外来手術センター
- 通院治療センター
- 患者支援センター
(4)大規模災害への対策とトリアージ機能の充実
- 地震による被害を抑えるため、建物を免震構造化とします。
- 広い設計の外来ホール・待合スペースを災害時トリアージスペースとして活用し、災害時患者受入及びトリアージ機能の充実を目指します。
- 待合スペースはストレッチャーが入り、酸素ステーションのように災害時はパーテーションで区切って臨時対応できるようにします。
(5)教育研究における環境の整備
- 教育研究において、学生の見学等ができる環境の整備が必須であり、学生が患者と接触せずに処置室へ移動できるスタッフ専用の通路を整備し、診療の妨げにならない広い処置室を設けます。